Event レポート

2007/10/6 (土) | TVF 市民ビデオワークショップ
開催日時 2007年10月6日(土) 14:00〜17:30
会  場 ビクター新橋ビル 地下ホール
講  師 佐藤博昭氏 (TVF審査委員)

テーマ

「市民ジャーナリズム」“真実を追究する眼が社会へのメッセージとなる”

内容

TVFビデオワークショップは、TVF入賞作品アーカイブの中からテーマに分けて作品をピックアップし、作品の狙いと表現との関係をより深く学べる場です。「作品づくりで悩んでいる」、「映像や表現についてより深く知りたい」など、作品のレベルアップを目指している観客の皆さんと一緒に、見ることから作ることへ、参加して発言する交流の場を広げていきたいと考えています。

レポート

第4回目のテーマは、前回に引き続き「市民ジャーナリズム」。“真実を追究する眼が、社会へのメッセージとなる“をサブタイトルに、ビデオ作品における市民ジャーナリズムについてひも解きました。今回もTVFの審査委員である佐藤博昭氏が講師となり、TVFへの応募者2名をゲストとして招いての開催となりました。
撮り続け記録することに意味がある
講師の佐藤先生は、まず水俣病の映画を撮り続けている記録映画作家の土本典昭氏を例に挙げ、土本氏が語った言葉を紹介。「医学には素人同然の我々が医学映画を作っても、反対意見は山ほど出てくる。映画の役割は、誰が本当のことを言っているか映像を通してみてもらうことである」。土本氏は、様々な意見、そして真実を曲げないように編集し映画化したといいます。後は、これを見た人がその正義について判断します。そのための様々な意見を映像で提供することに意味があるというのです。
マスメディアに代表される組織ジャーナリズムは、中立的な立場にあるはずですが、昨今、様々な問題が持ち上がってきており、そろそろ中立の維持が限界に来ている側面もあるようです。
市民ジャーナリズムは自分の意見を責任を持って述べるもの
一方、市民ジャーナリズムは、中立というより制作者が自分の意見を責任を持って述べるものです。様々な人々が、様々な意見を持った作品で主張しあいます。場合によっては、思い込みで間違った意見を述べてしまうことがあるかもしれません。しかし、そうした多くの視点によって作られた映像が集まることが、知りたい人にとっては判断に必要な情報となっていくのです。 ただし、注意しなければいけないことがあります。撮られた側(弱い立場の人)が傷ついたり、第3者が不利益をこうむることのないようにしないといけません。映像は誰かを傷つける凶器にもなるからです。また、基本的に「撮影されるのは迷惑なもの」という意識を持って製作に取り組む気持ちが大切です。
市民ジャーナリズム作者へインタビュー
今回のゲストは2名です。まず、TVF2007優秀作品「ヒロタンとピアノ」の制作委員会から撮影を行った松浦甚太さん。作品づくりについて「障害者とその家族について、内容を曲げないように心がけた」ということでした。佐藤博昭氏は、「こうした障害者の方を撮った作品というのは、制作者の目的というのをはっきりさせること。被写体の方のメリットを明確にすることが必要です」と解説しました。また、TVF2007入賞作品「見えない危機」の板橋区立志村第二中学校の「総合科学部」顧問・高橋美由紀先生は、制作について「生徒たちが、現実を記録していき、それを作品にするためにどう構成するかを考えて、必要なものを撮り直して制作したんです」と紹介。佐藤博昭氏は、「アウトラインを教えることはできるんですが、後は、生徒たちがテーマを決めて方法をあみ出すしかありません。でも、ビデオ作品は、それでも何とか作品ができてしまう。そこがおもしろいところです」と、ビデオ作品づくりの魅力を語りました。

上映作品

今回で、予定をしました市民ビデオワークショップはすべて終了となりました。
TVFでは、今後も、できるだけ多くの方に作品を見ていただけるよう努力してまいります。
会場へ足を運んでいただきました方々、また、当 Home ページにて開催内容をご覧いただきました方々に、心よりお礼を申し上げます。 ありがとうございました。
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