時代が変わり、人が変われば、作られる作品も変化する。
TVF30年、日本はまことにおかしな国になったが、同時に再生への思いも切迫している。
劇もアニメもCGも家庭の記録も、市民が発信するものは総てこの世を映すジャーナリズム。今年も豊かな集いの場に。
ベルリンの壁はとり払われたが、世界中に格差や政治など人間不信のうっとうしい壁ができている。その反動なのかTVFに寄せられる作品はボーダレスなプラス思考、元気印が増えだした。
ビデオコミュニケーションで元気なあなたの市民ビデオを見せてください。
毎年の表彰式や交流会で、世界中から集まった多くのビデオ作家たちに出会います。
その時、これを楽しみに審査をしているのだなと実感します。
ビデオを通して、ひとに会う、ひとと語る、ひとやその地域のことが解る。そんな出会いが年間で最大の楽しみです。
いまや撮影機材はどんなものでも撮れる時代です。
何を動機に何をめざして何のためにどう撮るか。ぼくが作品を作る側だったらこんなに恵まれて楽しい時代はないように思います。
カメラでエッセイを描くように気軽にあなたの作品をこしらえて下さい。
作った人が生き生きしているか、いかに対象をしっかり見つめ、対象とうまく交感しているか、創造にどれほど胸をときめかせているか、それらがひしひしと伝わってくるほど嬉しいことはありません。
それは必ず見る人の心や頭に届き、共感の輪が広がります。
TVFの作品群は、新鮮な表現としての地歩を確立しました。
皆様の成果です。お目出度う!
さらにどんな発展を示していくのか。どんな方法を考え出すか。皆様と共に、僕も大きい期待をもっています。