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作品概要 以前に撮影したアルプスの霊峰マッターホルン。この素晴らしい雄姿をひとつの作品としての完成にかけ、病気を克服し、1年間の編集に情熱を傾注する。マッターホルンを背景ににぎり飯を食べる作者のいきいきした姿が印象深い。 |
「マッターホルンの絶景を心に刻み、残りの人生をビデオと共に歩んでいきたい」 |
――マッターホルンへの情熱がとてもよく伝わってくる作品ですね これを撮るために3年連続で通いました。それまでは満足のいく映像が撮れなかったのですが、3年目にしてやっとカメラにおさめることができました。その感動を伝えたくてこの作品を作りました。 ――撮影旅行から帰ってすぐに、体をこわしてしまうんですね 足の動きが不自由になってしまい、脳梗塞と診断されました。3ヶ月入院したので、すぐには作品制作に取りかかれませんでした。でも、マッターホルンの映像を編集するんだという意気込みでリハビリに取り組んだので、足の調子も他の人より早く回復したんですよ。 ――病院内での姿やリハビリの様子も撮影されていますね 妻に頼んで撮ってもらいました。たまたまこうして病気になってしまったので、作品にはそのことも盛り込もうと思いました。 ――作品では全編、ご自分の姿が映っていますが マッターホルンへは一人旅でしたので、カメラを2台持って出かけました。池に映るマッターホルンをとらえたシーンでは、にぎり飯を食べる自分の姿が映っていますが、一人なので三脚を据えてカメラの位置決めを何度もやりました。このシーンも気に入っています。 ――マッターホルンの光芒をとらえた瞬間の気持ちはいかがでしたか? 前の晩は雨だったので、いい映像は撮れないと思っていました。それでも朝4時に起きて、にぎり飯をつくり出発。少し残っていた雨もやみ、急な坂を登っていったら新雪をかぶったマッターホルンの山頂が目にはいってきたんです。「しめた!」と思いましたね。朝日が当たった瞬間から、光が山すそに届くまでを撮影。山を下りたとき、朝7時の教会の鐘が鳴っていたのが、今でも印象に残っています。 ――作品のなかでは、撮影旅行をめぐるご夫婦のやりとりも登場しますね 私の体を心配して旅行を反対する妻を、私が説得するシーンですね。マッターホルンを撮るのは私の念願だからと納得してもらいました。ふだんから妻の姿も撮影しているので、とくに抵抗感はないようですよ。 ――作品づくりで苦労したのはどこでしょうか? パソコンを使っての編集は慣れていなかったので、そこは苦労しました。でも、慣れてしまえば楽ですね。ビデオに関しては、この「ムービーズ」でずいぶん勉強させてもらいましたよ。また、体の自由がきかなかったので、ナレーションが大変。何十回もやり直しました。通しでしゃべるのは無理でしたので、ナレーションは継ぎはぎです。 ――作品を作り終えてのいまの心境は? 念願のマッターホルンが撮れて、作品の出来にはとても満足しています。新雪の積もった真夏のマッターホルンと、池に映った素晴らしい風景。それを心に刻んで、残された人生をビデオとともに楽しく送りたいと思っています。 |
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