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作品概要 バスツアーの旅先で、大雨という悪天候にあった作者は、その最悪のコンディションにもめげず、とりあえず河童橋へと向かう。途中、川に落ちそうになったり、丸太橋を四つん這いで渡ったりと、とことん滑稽な演技で自分を演出していく。すると最悪の天候が回復し晴れ間が。そこでもっと奥へと足をのばし、ついには最終目的地の穂高神社奥宮へ無事お参りすることができた。旅行は必ず晴天とは限らず、状況に応じて楽しんだ姿をコミカルに作品化している。 |
「”面白くなくてはビデオじゃない”をとことん実践した作品です」 |
――テンポが良くて、とても楽しい作品でしたね そう言われると嬉しいです。というのは、凝り固まった映像の世界から抜け出し、「面白くなくてはビデオじゃない」という考えのもと、滑稽さや楽しさをふんだんに盛り込んだ作品です。 ――そもそも作品制作のきっかけは何だったのでしょうか? 実は1泊2日のバスツアーで、志賀高原や上高地をまわる旅行だったんです。バスツアーは時間制限があって、いいんものができないと言う人がいますが、私は逆だと思うんです。かえって制限があった方が、一生懸命に考えていいものが撮れると思います。この作品は、12時から14時の2時間で3.5kmの道のりを撮影。時間内にみんなのいるバスに戻らないといけないという、制限があるなかでの撮影でした。 ――それが最悪の天候の中の撮影となったわけですが、天候を逆手にとった作品に仕上げていますね そうです。2日目は、どしゃ降りの大雨。せっかく上高地の奥まで行けると楽しみにしていたのにですよ。一緒にツアーに参加した72歳の仲間はギブアップしました。しかし、私は意を決して、朝、雨カッパを購入。よし、それなら面白い映像を撮って、同じビデオクラブにいる仲間を見返してやろうと決めたんです。 ――見返すというのはどういうことですか 「面白くなくてはビデオじゃない」ということを持論にしている仲間がいまして、彼より面白い作品をつくって「どうだ」と言ってやりたかったんです。 ――そんな思いで作った作品では、何を表現したのですか ビデオの愛好者に、ビデオ作品づくりの楽しさをもっともっと知ってもらいたかった。こんなコミュニケーションがあっていいんじゃないかという思いが私にはあります。入賞したことで、それが認められ、全ビデオ愛好者に、その思いを伝える機会を得られてとても嬉しいです。 ――苦労、または工夫したのはどんなことでしょうか 自作自演、すべてひとりで行ったので、それがたいへんでした。私がVideo cameraに向かって道を歩いていくところを撮影するためには、一度、Video cameraをセットしてから戻り、またカメラに向かって歩いてゆくわけですから。 ――ビデオの楽しさは、どこにあると思いますか 言葉が悪いですが”バカになる"ことだと思います。いわゆる”ビデオバカ"です。たとえば、映画が大好きな人は”映画バカ"、野球をするのが大好きな人は”野球バカ"。わたしは”ビデオバカ"と呼ばれるくらい徹底してビデオに入れ込むことが、どんどんビデオを楽しむコツだと思います。そんな私の”バカさ加減"を収めた映像が、この作品なんです。 |
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