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作品概要 ひたすら、バッタを追い続けて3年。自然いっぱいの山だけでなく環境が激しく変わる河川敷でも大きくたくましく生きていくバッタ達の生態が描かれている。 |
「昔から昆虫が大好き。自然と撮影対象になりました」 |
――数ある昆虫のなかで、なぜバッタを取り上げたのでしょうか? 私は、市の人材バンクに登録していまして、地域の小学校で時どき作品を上映しているんです。そのなかで児童から「バッタを撮って」と要望があって。それならと思い挑戦してみたんです。 ――これまでにも昆虫を題材にした作品はあるのですか? もともと昆虫が好きで、フィルム時代から20年来、撮影しています。これまでもセミやトンボなどを題材にした作品があります。昆虫シリーズは、これが5作目になります。 ――どのような思いで作品づくりをしたのでしょうか? バッタの生態の記録と、滅多に見られない珍しいシーンを撮りたいと思いました。撮影のためにトノサマバッタも飼育しました。ふ化などのシーンではそこからの映像も一部使っています。 ――撮影には3年かかったということですが 撮影シーズンは春から秋までですが、主役はやはり夏場。この時期は、仕事の合間をぬって週に1、2度通いました。バッタは天気が良くないと出てこないので、もちろん空振りの日も。遠くには頻繁に出かけられないので、近くの淀川や生駒山が舞台になりました。 ――作品ではバッタの生態が迫力ある映像で捉えられていますね。 望遠や接写レンズを使い30センチ位まで寄って撮りますが、交尾や産卵の時はあまり逃げません。エサを食べているときは、近づくとすぐ逃げてしまうので大変でした。そういう時は待ちます。エサのある場所でじっと待っていると、やって来るんですよ。 ――ほかに撮影にあたっての苦労はありましたか? 作品では1分足らずの映像のために、撮影に3時間かかったこともありました。バッタに出会うまでがひと苦労です。「忍耐」の一言に尽きますね。 ――作品づくりで苦労する点はどこでしょうか? どの作品でも、最初に編集すると1時間位の長さになります。それを応募用に20分以内にしていく作業がつらいですね。短くするためには、「どうしようかな」と迷いのあるシーンは思い切ってカットする。迷いのないシーンは残して、だんだんと短くしていきます。 ――作品をつくる楽しみはどんなところにありますか? 所属するビデオクラブで毎年上映会を開催していて、そこに出品しているのですが、大きなスクリーンに映して大勢の人に見てもらい、最後に拍手をもらうときが一番うれしいですね。 ――次回作のテーマは? いくつか編集中のものがあります。昆虫シリーズでは、これも児童から要望のあったカマキリを題材にしたものを。それと、最近あまり見かけなくなってしまった手長エビが大阪城公園にいたので撮影しまして、それも制作中です。このほか、戦争時の集団疎開の思い出をテーマにしたものも考えています。 |
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