2004年8月11日 報道発表


DVD原盤と同等コストで、再生専用ブルーレイディスク原盤の製造を実現する新技術

独自の「拡張DUVマスタリングシステム(仮称)」を開発

〜遠紫外線レーザー光源を使用した、DVD原盤製造装置の発展型システム〜



 日本 VICTOR (株)は、DVD原盤と同等のコストで再生専用ブルーレイディスク(BD-ROM)原盤の製造を実現する、独自の「拡張DUV(Deep UV)マスタリングシステム(仮称)」を開発しました。
 これまで、ハイビジョン映像を2時間以上記録できる大容量のBD-ROM原盤を製造するには、レーザービームより細い電子ビームや、真空中で作製する特殊な材料と光学系など、高価なシステムを用いる必要があり、BD-ROMの製造コストがDVDと比べて割高になる要因になっていました。
 当社が今回開発した「拡張DUVマスタリングシステム(仮称)」は、レーザービーム(遠紫外線=DeepUV)を使ったBD-ROM原盤製造を可能にしたものです。
 本システムは、同じくレーザービーム(青紫色〜紫外線)を使用する従来のDVD原盤製造装置の発展型システムなので、レーザー発振器の交換など若干の変換を施すことで、BD-ROMに対応した原盤製造システムに変換できます。また、量産時にはDVD原盤と同等のコストでBD-ROM原盤を生産できます。
 当社は今後、本システムによるBD-ROMの量産体制構築および普及を目指します。



<本システムの主な特長>
(1) DVD原盤製造装置をベースに、DVD用よりも短波長光である遠紫外線レーザー光源を搭載。さらに、ビーム照射機構の移動ユニットを高精度化することで、原盤への高密度信号記録を実現。
(2) 新規に開発した「ダイレクトフォーカスサーボユニット」により、原盤製造時におけるレンズの高さ精度と安定性を飛躍的に向上させ、従来のサーボ回路と比べ、フォーカスの変動(フォーカスのブレ)が1/10以下に減少。これにより、原盤の回転記録を安定化させることに成功。
(3) 微小なピット(信号を記録する凹凸)形成時に、独自の手法で信号を強め、鮮明なピット形状形成を可能にする「2Tブースト(記録補償)回路」を開発。再生信号品質であるジッター値が3%ダウン。
(4) 原盤材料に新規開発の高解像度レジスト(感光性高分子樹脂)を採用することにより、最短ピットの解像性が向上するとともに、ピットエッジの粗さが減少し、ノイズを大幅に低減。また、この材料は、真空装置を使わずに、回転塗布で作製できるので、DVDの製造装置をそのまま利用可能。


<「拡張DUVマスタリングシステム(仮称)」の構成図>

「拡張DUVマスタリングシステム(仮称)」の構成図



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<再生専用ブルーレイディスクについて>
 再生専用ブルーレイディスクの規格は、主要な民生機器メーカー、PCメーカー、およびメディアメーカー13社で構成されるブルーレイディスクファウンダーズ(BDF)により、現在審議中です。
※1 ブルーレイディスクは、BDFにより開発・推進されています。
※2 BDFはブルーレイディスクフォーマットの標準化を推進することを目的に、2002年5月に設立されました。現在、デル、HP、日立製作所、LG電子、松下電器産業、三菱電機、パイオニア、フィリップス、サムスン電子、シャープ、ソニー、TDK、トムソンの13社で構成されています。


<マスタリングシステムとは>
 マスタリングシステムとは、光ディスクの原盤を作製するシステムです。感光性レジスト(感光性高分子樹脂)を塗布したガラス円盤を回転させながら、フォーマット処理したコンテンツ信号に対応してレーザービームを照射し、レジストを感光させ、ピット(信号を記録する凹凸)を形成します。

<光ディスクに使用する光の波長>



<「ダイレクトフォーカスサーボユニット」の効果>

ダイレクトフォーカス未使用 ダイレクトフォーカス使用
「ダイレクトフォーカスサーボユニット」の効果

フォーカス誤差信号の比較。
ディスク原盤の高さ変動が1/10以下に改善


<新開発の高解像度レジスト>

従来レジスト 開発レジスト
新開発の高解像度レジスト
レジストをBD用に新規開発することによって、ピットエッジ粗さが改善し、ノイズを大幅に低減。写真は、従来レジスト(左)と開発レジスト(右)で製造したピットの電子顕微鏡写真。


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※:このページの内容は、報道発表日時点の情報です。その後、内容に変更が生じる可能性があります。



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