日本 VICTOR (株)は、独自開発のマイクロディスプレイデバイス"D-ILA”(Direct-Drive Image Light Amplifier)の新ラインアップとして、従来の当社製0.8インチフルハイビジョン(水平1,920×垂直1,080=約207万画素)デバイスより小型の、高精細projection tv用「0.7インチ フルハイビジョン"D-ILA”デバイス」を開発し、今月より量産を開始します。また当社は、長年培ってきた独自の映像技術やノウハウをフルハイビジョンディスプレイ向けに進化させた、新世代の高画質映像技術も開発中です。
当社は今後、本デバイスと新世代高画質映像技術を搭載したフルハイビジョンprojection tvを日本および北米市場で発売する予定です。
今回新たに開発した「0.7 インチ フルハイビジョン"D-ILA”デバイス」は、既発売のprojection tv用「0.7インチ720p(水平1,280×垂直720=約92万画素)"D-ILA”デバイス」と同一サイズ(対角0.7インチ)ながら、フルハイビジョンの約207万画素を実現。既発売デバイスとサイズを同一化させることで、生産設備と製造プロセスを共通化でき、"高い品質信頼性の確保”と"生産効率向上によるコスト抑制”の両立を実現しました。
また、明るさが求められる家庭用projection tv用デバイスとして、高い反射率を実現する新反射画素平坦化技術を採用。フルハイビジョンの高解像度、反射型液晶デバイスならではの高開口率と合わせ、画面のすみずみまで明るく、映像が滑らかで美しい高性能projection tvを実現します。
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<「0.7インチ フルハイビジョン"D-ILA”デバイス」の特長>
1. |
画素ピッチ8.1μm の新世代生産プロセスを採用し、デバイスサイズの小型化を実現 |
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画素ピッチ(画素の長さ)8.1μmの新世代生産プロセスを採用し、1画素の面積を既発売の720pデバイスと比較して50%以上小型化。これにより、720pデバイスと同一の小型サイズ(対角0.7インチ)ながら、高精細フルハイビジョン解像度を実現しました。 |
2. |
89%の高開口率と、新反射画素平坦化技術による高い反射率を実現 |
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0.7インチ小型サイズのフルハイビジョンデバイスながら、89%の高開口率を実現。また、今回新たに導入した新反射画素平坦化技術により、720pデバイスと同等の反射率を実現しました。 |
3. |
液晶分子配向方向制御技術を改良 |
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液晶分子の配向方向をそろえる制御技術を改良し、デバイスに起因する色付きノイズ(ディスクリネーション)の発生要因を大幅に低減させました。 |
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<開発背景>
BSデジタル放送の定着や地上デジタル放送の受信エリア拡大など、水平1,920画素、垂直1,080画素、合計約207 万画素を持つフルハイビジョン映像の視聴環境が急速に広がり、「迫力ある大画面 TV Set で、高精細なフルハイビジョン映像を手頃な価格で楽しみたい」というニーズが高まっています。
こうした背景から、当社は今回、従来の当社製0.8インチ フルハイビジョンデバイスより小型で、コストを抑えた高精細projection tv用「0.7インチ フルハイビジョン"D-ILA”デバイス」を開発し、今月より量産を開始します。当社は今後、本デバイス搭載のフルハイビジョンprojection tvを、既発売の720pモデルの上位機種として、日本および北米市場において発売する予定です。
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<当社独自開発の新世代高画質映像技術について>
フルハイビジョン映像の解像度は約207万画素。これは、現在flat screen tvの主流となっている720pハイビジョン映像(約97万画素)の2倍以上もの情報量であり、フルハイビジョン映像用の高画質映像技術は720p映像用を大幅に上回るスペックが要求されます。当社は、長年培ってきた独自の映像技術やノウハウをフルハイビジョン映像向けに進化させた新世代の高画質映像技術の開発に取り組んでおり、その技術を、今回開発した「0.7インチ フルハイビジョン"D-ILA”デバイス」搭載のフルハイビジョンprojection tvをはじめ、今後当社が発売するフルハイビジョン TV Set に採用していく予定です。
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<主な仕様>
対角表示サイズ |
0.7 インチ(17.8mm) |
解像度(水平×垂直) |
1,920 × 1,080 (2,073,600 画素) |
アスペクト比 |
16:9 |
画素ピッチ |
8.1μm |
有効表示エリア |
水平15.55mm, 垂直8.75mm |
開口率 |
89% |
コントラスト(デバイス単体) |
5000:1 |
液晶モード |
垂直配向液晶 |
配向膜 |
光安定無機配向膜 |
主な用途 |
projection tv、Home Theater 、アミューズメント |
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<技術資料> |
独自開発の高精細反射型デバイス"D-ILA”について |
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1. |
"D-ILA”デバイスとは |
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フロントprojectorやリアprojection tvの映像を表示する数センチ角の表示デバイス(マイクロディスプレイデバイス)で、高輝度と高精細化の両立が図れる方式として注目されている反射型液晶デバイス"LCOS”(Liquid Crystal on Silicon)の代表的なモデルです。半導体とガラスの間に液晶を封入した構造で、入力信号に応じ電圧を加えることで液晶を変化させて映像を表現します。照射された光源ランプの光を半導体表面に作られた画素で反射し、映像を光学レンズで拡大してスクリーンに投射する仕組みです。
反射型液晶デバイス"LCOS”は理論的に高画質化しやすく、以前から大画面ディスプレイデバイスとして期待されていましたが、半面、その生産プロセスには非常に高いノウハウが必要で、安定して量産することが大変困難です。当社は97年10月に対角0.9インチSXGA(140万画素)タイプの開発に成功し、同年末にD-ILAprojectorを発売。以来、業務用ハイエンドprojector向けに多年にわたる量産実績を積み重ね、商品化を実現してきました。
2000年には1.3インチQXGA(315 万画素)や0.7インチSXGA+(147万画素)を、2003年には0.8インチ フルハイビジョン(207万画素)、0.7インチ720P(92 万画素)のデバイスを商品化するとともに、1.7インチ4K2Kデバイス(885万画素)の開発をおこなってきました。
これらのデバイスを採用した機器として、04年5月にフルハイビジョン解像度のフロントプロジェクションシステム「DLA-HD2K」を発売、続いて同年7月には北米市場においてD-ILAprojection tv(52/61V型、解像度720p)を発売、そして本年5月、日本国内にて、D-ILAprojection tv"ビッグスクリーンエグゼ”(52/61V型、解像度720p)を発売し、好評を得ています。
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2. |
"D-ILA”技術の特長と優位性 |
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(1) |
画素アドレスと液晶部を3次元的に配置し、高開口率を実現 |
(2) |
垂直配向液晶を採用し、高コントラストと高速な応答速度を実現。自然動画に対応した高動画性能の実現と共に、優れた階調表現による高品位シルキー画像(高精細かつ高品位な映像)も実現。明暗のメリハリがあるクリアーでフィルムライクな画質(「引き締まった黒」「黒つぶれの少ない画面」)が特長。 |
(3) |
液晶配向膜に無機物を使っていることで高信頼性と長寿命化(推定10万時間以上)を達成。家庭用 TV Set や、監視/ シミュレーション等、長時間稼動システムでの使用が可能。 |
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1.7”4K2K |
1.3”QXGA |
0.8”FHD |
0.7”SXGA+ |
0.7”FHD
(新開発) |
0.7” 720p |
表示サイズ
(対角) |
1.73 インチ
(44.0mm) |
1.30 インチ
(33.0mm) |
0.82 インチ
(20.8mm) |
0.72 インチ
(18.2mm) |
0.70 インチ
(17.8mm) |
0.70 インチ
(17.8mm) |
画素数
(水平×垂直) |
4,096×2,160 |
2,048×1,536 |
1,920×1,080 |
1,400×1,050 |
1,920×1,080 |
1,280×720 |
アスペクト比 |
16:9 |
4:3 |
16:9 |
4:3 |
16:9 |
16:9 |
画素ピッチ |
9.5 μ m |
12.9 μ m |
9.5 μ m |
10.4 μ m |
8.1 μ m |
12.0 μ m |
有効表示
エリア |
水平38.91mm
垂直20.52mm |
水平26.42mm
垂直19.81mm |
水平18.24mm
垂直10.26mm |
水平14.56mm
垂直10.92mm |
水平15.55mm
垂直8.75mm |
水平15.36mm
垂直8.64mm |
開口率 |
93% |
94% |
92% |
92% |
89% |
93% |
コントラスト |
5000:1 以上(デバイスとして) |
液晶モード |
垂直配向液晶 |
配向膜 |
光安定無機配向膜 |
主な用途 |
・ |
デジタルシネマ |
・ |
超高精細システム |
・ |
管制 |
・ |
シミュレーション |
・ |
CG モニター |
・ |
協調作業システム |
・ |
高臨場テレワーク |
|
・ |
デジタルシネマ |
・ |
環境映像システム |
・ |
シミュレーション |
・ |
CG モニター |
・ |
舞台、コンサート |
・ |
展示会、博覧会 |
|
・ |
高級Home Theater |
・ |
業務用リアボックス |
・ |
デジタルアーカイブ |
・ |
電子博物館・美術館 |
・ |
デジタルシネマ |
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・ |
プレゼンテーション |
・ |
シミュレーション |
・ |
業務用リアボックス |
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・ |
projection tv |
・ |
Home Theater |
・ |
アミューズメント |
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・ |
projection tv |
・ |
Home Theater |
・ |
アミューズメント |
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4. |
代表的なprojector用デバイスの構造イメージ |
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※:このページの内容は、報道発表日時点の情報です。その後、内容に変更が生じる可能性があります。
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この件に対する inquiry 先
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03-3289-2813 |
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