主な特長 開発背景 技術解説 inquiry


2006年9月14日 報道発表

表面全体が音の放射面になる、12面体構造の球状speaker

「呼吸球式speaker」を開発


〜speakerの存在が感じられない、自然で理想的な音場再生を実現〜





 日本 VICTOR (株)は、1967年の球型speaker「GB-1」の発売以来、自然で理想的な音場再生を実現する"理想音源”の研究を続けており、今回、その"理想音源”に近い性能を持つ「呼吸球式speaker(Pulsating Sphere)」を開発しました(特許17件申請中)。
 本技術は、表面全てが音の放射面で"呼吸する”ように駆動する12面体構造のコンパクトな球状speakerで、全ての方向で同じ周波数特性を持つため、あたかも「speakerの存在が感じられない」ほど、コンテンツが持つ音源や音場の情報を忠実に再現します。
 なお、当社は本技術を9月21日(木)から24日(日)までパシフィコ横浜で開催される「A&Vフェスタ2006」の日本 VICTOR ブースに出展します。
※12面体構造…同じサイズの多面体で球を構築する最適な構造



<主な特長>

1. 自然で理想的な音場再生を実現する、12面体構造のコンパクトな球状speaker

直径10cm相当の球体を5角形のセグメントに分割し、各セグメントをダイナミック方式により11個のドライバで駆動することにより、サイズをこえたハイパワーと、10kHzに至るまで±1dB以内という均一な指向特性を実現。従来にない自然な音場を再現します。

5kHz(赤),7kHz(緑),10kHz(青)における水平指向特性

2. speakerの表面全体が音の放射面となる、連結した振動板を開発

11枚の5角形振動板をエッジのみで連結し、speakerの表面が全て放射面となる連結振動板を開発。フレームやキャビネットからの影響を排除し、歪感のないクリアな音を再生します。

連結された振動板

3. 広い周波数範囲を平坦に再生する、ワイブルカーブド振動板

振動板にはコンピュータ解析による最適化手法を用いた独自のワイブルカーブド振動板を開発。高剛性繊維強化プラスチックを採用し、フラットな音圧周波数特性と低歪率を実現するとともに、分割振動を抑え明快な定位を実現。広い再生周波数範囲を達成しました。

ワイブルカーブド振動板

4. ダブルネオジウムマグネットにより1テスラの高磁束密度を実現

エネルギー密度の高いネオジウムマグネットを2個採用し、同口径のspeakerとしては最高レベルである1テスラの高磁束密度を実現。これにより連結された振動板を電磁的に駆動することによって、高域までクリアな音質を再生します。

5. エッジのみで連結された振動板を安定して支える、直交配置ダブルサスペンションを開発

高弾性でありながら固有共振を排除した、新開発サスペンションを2枚直交配置することにより、高精度駆動を実現。これにより、連結した振動板を、あたかも"呼吸する”ように正確に駆動させることに成功しました。


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<開発背景>

 当社は、従来にない自然な音場再生を実現するため、理想的な音源の開発をテーマとして、speakerの研究開発を進めています。2001年1月、スリム形状でありながら水平方向の広い指向性と明快な音像定位を実現する「DDspeaker」を開発し、その後、単品コンポやHome Theater などを商品化。ユーザーから高い評価を得ました。
 当社はその後、垂直方向を含めた全方向無指向性speakerを目指した研究を行い、今回、コンパクトながら理想的な波面再生と広帯域な再生周波数特性を実現し、自然な音場再生を可能とする、12面体構造の球状speaker「呼吸球式speaker技術」を開発しました。本speaker技術は、全ての方向で同じ周波数特性を持つので、あたかも「speakerの存在が感じられない」ことになり、コンテンツが持つ音源や音場の情報を忠実に再現します。


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<技術解説>

 「呼吸球」という技術名称は、60年以上前からずっと"理想的な音源の代名詞”として使われており、音響に携わる開発者たちの目標の一つでした。
 「呼吸球」が理想的な音源である理由は、1)全方向に同じ波面を伝播する、2)放射インピーダンスに乱れがない、3)キャビネットによる回折がない、4)平板状音源に近づいた時に起こる近距離音場の問題がない、などの優れた特長によるもので、一般の音源(speaker)がもつ固有特性がなく、コンテンツ再生における電気・音響経路にspeakerが存在しないかのような状況を作り出せます。
 当社が今回開発した直径10cm相当の「呼吸球式speaker」は、この"理想音源”に近い性能を持ち、10kHz に至るまで指向特性の変動を±1dB以下に保つものです。
 各振動板は内部に固定された駆動回路によりダイナミック方式で駆動されるボイスコイルにのみ連結され、全方向に同振幅同位相の音波を再生します。また、5角形の各振動板はすべて連結されているので、speaker表面全てが音波放射に寄与することになります。このような構造を採用しているため、音波の反射や回折の原因となるキャビネットやフレームを持つことがなく、歪感のないクリアな再生音が得られます。またコンピューターシミュレーションによる最適化手法などの最新技術を駆使することで、従来にない平坦な周波数特性を持つ振動板形状を開発し、高い周波数における特性の安定化に成功しました。他にも軸方向運動や許容入力に対して、様々な工夫を行っています。(特許17件申請中)

<「呼吸球式speaker」試作機>


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※:このページの内容は、報道発表日時点の情報です。その後、内容に変更が生じる可能性があります。



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