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映画「RAINBOW DRIVEINN」のメインカメラとしてGY-HD100を採用いただいたのは、どういった経緯からだったのでしょうか? |
小林: |
最終がDV完パケであることやバジェットからも、DV撮影でいこうという基本線は決まっていました。ただ、以前同じようなサーフィンものをハワイで撮影した時、固定レンズのDVカメラでかなり苦労した事があったので、出来ればレンズ交換のできるコンパクトなDVカメラを捜していたんです。サーフィンシーンなどは特に「良い波」が遠くの方にある場合も多く、固定レンズにテレコンバージョンレンズを付けても、遠くの被写体などはおさえきれないんですね。
で、撮影監督協会での雑談でたまたまGY-HD100の事を知って、商品発表会で実際にさわらせてもらって即決してしまいました(笑)。
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レンズ交換に対応できることが決め手だったのですね? |
小林: |
やはりそこが1番でしょう。今回のロケでも室内はワイド系、屋外は長ダマという2つのレンズをメインに様々な使い分けが出来ました。また、通常のビデオレンズなのでスイッチ類も使い慣れたレイアウトで、フォーカスの送り易さひとつとってもいつもの「手クセ感覚」で使うことができました。新しいカメラで撮るといった、妙な緊張感もなく、現場でもリラックスして安心して使えましたね。また、ハワイならではの強い日射しで目がおかしくなった時や、同じく強い日射しでモニター画面での映像確認が難しくなったりした時にも、絞り等の数値を目で確認して、露光などが一目で判ったのも有り難かったですね。
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収録された画質はいかがでしたか? |
小林: |
僕は最初のセットアップ時以外はビデオエンジニアを付けない主義なので、現場でもああだこうだと細かい画質調整はしないのですが、撮り終わってみた結果、「ハワイならではの抜けるような青空や立体的な白い雲」、「様々なグラデーションを見せる海」、そしてなによりもこの映画の主役である「こんがりと日焼けした、サ−ファ−達の健康な身体」などなど、その場で判断した通りの、イキイキとした映像が撮れたと思います。
今回は、DV完パケだったので、ノンリニアに吸い上げる時点でDVにダウンコンしてしまったので、ちょっと勿体無い気がしました。次回はHDVの高精細な映像のまま仕上げてみたいですね。
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サーフィンシーンがとても印象的でした。何か工夫されたことはありましたか? |
小林: |
特に晴れている時は、1/2000や1/4000くらいのシャッターを多用していました。大江監督からもサーフィンシーンはハイスピードでも撮るようにという指示がありましたので。結果、スローで延ばしても映像がブレていることもなく、いい感じに仕上がりましたね。「はじける波しぶき」とか「サ−ファ−達の肌や水着のシズル感」などもうまく出ているのではないでしょうか?
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その他、GY-HD100を実際に使用してみた感想をお聞かせください。 |
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コンパクトでありながらHDで長時間まわせるところもGY-HD100のひとつの魅力だと思います。今迄のHD撮影にあった頻繁なテープチェンジも necessary いですしね。特にこの映画のサーフィンシーンなどは、いついい波が来るのか、サ−ファ−達の鮮やかなテクニックがいつ決まるのか、など偶然性の要素が多く、テストもなしの長まわし以外では撮影出来ないので長時間記録はマストな条件でした。
また、僕は「小さいカメラこそドッシリ構えないと、画が軽くなる」と思っています。ですから今回のGY-HD100でも、手持ちや機動力を活かしてという使い方はせず、常に三脚やレールでしっかり固定して撮影するという使い方をしました。実際に映画をご覧いただければ分かると思うのですが、オールハワイロケならではの豊かな色彩に溢れた、堂々とした映像に仕上がった、と僕なりに満足しています。 |