TVFの応募作品の中心は、作者がそれぞれの狙いや思いを込めて被写体にVideo Cameras を向け記録したドキュメント作品です。社会的・History 的なテーマをはらんだ活動や場所、そこでの人間の営みを記録し問いかける作品が多数入賞しました。
日本の稲作の本来の姿を求めて、独自農法の研究・普及を進める活動を追った『本来の稲作 NPO法人民間稲作研究所の探求』(浅野光彦・茨城県/優秀作品賞)、山村の小学校の全校行事「炭焼き」の一部始終を記録した『ええのができるぜぇ〜』(岡野鏡子・愛媛県/優秀作品賞)、150年のHistory がある茅葺き屋根の再生を、若い職人が伝統技術を受け継ぎ5ヵ月をかけてやり遂げた記録『茅葺屋根再生』(岡本泰宏・兵庫県/佳作)をはじめ、海外からも、四川大地震に駆けつけた大学生6人が見た惨状と救助活動の記録『風にはためく』(Zhou Shilun・中国/佳作)、北京五輪を誇り高く迎え、意気上がる下町の人々を描いた『虹橋横丁のオリンピック』(Shan Zuolong・中国/佳作)などが入賞。
レンズを向けた先の現実を、そのまま“動かぬ事実”として映像記録に刻印するビデオの力は、時に作者の意図を超えたメッセージを伝えることもあります。イラク戦争などで命を落とした兵士を埋葬する米アーリントン国立墓地の1日を、訪れる家族らへのインタビューを中心に記録し、優秀作品賞に選ばれた『Section 60:Arlington National Cemetery(セクション60:アーリントン国立墓地)』(Downtown Community Television Center・アメリカ/優秀作品賞)も、そのような作品の一つといえそうです。
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