
生演奏の感動を具現化することを求めて開発されたロングセラーモデルSX-DW7。その後継モデルとしてさらに磨きをかけた、SX-DW75。パイプオルガンや大太鼓の震えやジャズベースのドライブ感といったピュア Audio の低音楽器はもちろん、 Home Theater の聴きどころである爆発の地響き、恐怖を誘う超低域の効果音なども、さらなる迫真力で再現することが可能になりました。
パイプオルガンの最低音である16Hz、その響きまでも感じとれる再生能力をめざして、素材から見直しました。過渡特性のカギを握るエッジ素材には、軽量で反応に優れたEPDM発泡ラバーを新たに採用。極めて追従性がよく、MFBでは制御できないエッジの付帯音を軽減。また振動板は、SPパルプを主成分としたオーブン製法による腰のある30cmコーンをさらに強化するとともに、この強靭な振動板を1.0T(テスラ)を超える強力な磁気回路と5層構造の特殊ボイスコイルで駆動。能率が高く過渡特性に優れたウーハーユニットを実現し、当初の目標をらくらくとクリアする重低音再生を可能にしました。
音楽をありのままに再現できるよう、入力信号に最も忠実な密閉型キャビネットを採用。前面バッフルにはぶ厚い30mm、後面には25mmのMDFを、天地両側面については、25mm厚のMDFを使用。さらに前面と天地に補強を施した強固な構造としました。また外装は、MDFに光の反射を受けにくい黒色塗装7分艶消し仕上げとし、シアターシステムとのマッチングやあまり存在感を感じさせないセッティングを可能にしています。
ジャズ演奏では、音楽を下支えしてリズムをリードするのがベースです。ピアノはそれに乗り自由に 駆け巡って音楽のイメージを広げ、ドラムは新しい展開へのトリガ ーを引くことで、個性的でありながら溶け合った音楽を紡ぎ出すことができます。ところがこれまでの 低音再生では、より重低音域まで再現しようとすると音が重く鈍くなり、ベーシストのリードが充分に表現できないなどの限界がありました。そこで、ボイスコイルに取り付けられたセンサーによって振動板の動きを直接とらえ、音楽信号に強力に追従させる速度帰還型MFBサーボを搭載。これによりトランジェントに優れた、音楽ソースに極めて忠実な低音再生を実現しました。ジャズに例えるなら、最高のベーシストのリズムにピッタリ乗った、躍動感あふれるセッションのようなものでしょうか。
アンプの大型化を避けながら大出力を得るために、様々な手法が考えられています。Dクラスアンプも、そのひとつ。しかし小型で高効率なことが理論的にわかっていても、それに相応しいデバイスが不足していたため、 Audio 用にはなかなか採用されませんでした。そこでビクターは、最適なデバイスを求めて最新のPOWER MOS-FETを厳選。専用設計のPWM Class-D電力増幅回路を構築し、最大出力600Wのハイパワーを実現。さらにローノイズで高効率な新開発のスイッチング電源とMFB速度帰還の働きにより、強制的に振動板をドライブすることに成功しています。
どんなスピーカーシステムともベストチューニングできるよう、ハイカット・フィルターのクロスオーバー周波数を40Hz〜120Hzの範囲で連続的にコントロールできるよう設計しています。さらに、どんな入力信号にも安定した動作を保持するアダプティブ・コントロール回路を備え、高音質と安定性の両立を実現しました。