
通常のコーンではセンター部を駆動するのに対して、センターからずらした位置で駆動しているのが「ダイナミックバランスド・オブリコーン」です。これにより、音速と密度が高く音質に優れた振動板であるアルミ素材に寄生する固有共振の分散が可能となり、高音域のピークを抑えクセの無い高音質を実現しました。
DVD Audio やSACDのソフトを高音質に再生するためには、高品質なスーパーツィーターとしての能力が必須です。
SX-LT55MK2に搭載したツィーターは、SX-L7に搭載したスーパーツィーターを基本にした、80kHzまでの再生帯域をカバーできる高音質なツィーターです。
振動板は、1.9cmのピュアアルミに純金プレーティングを施し、マグネットにはフェライトマグネットの1/14のサイズで同等の磁力を持つ、貴重な希土類ネオジウムマグネットを採用しています。
また、ネオジウム内磁型磁気回路のキャップには、ひずみを抑えて高域を伸ばす、銅キャップを採用しています。
オブリーク・オムニアレイ配置のツインウーハー部とボトムウーハー部は、独立したエンクロージャー構成となっており、それぞれポートのチューニング周波数をずらした(スタガード)設計となっています。ツインウーハー部とボトムウーハー部のユニットは、一見同じに見えますが、エンクロージャーの容積や、ユニットの受け持つ帯域が異なるため、ボトムウーハー用は、ツインウーハー用に比べ2倍の強度を持つ厚みの異なる振動板を使用しています。LT55マーク2では、ボトムウーハーの磁気回路をネオジウムマグネットで強化し、低音域はもちろん中低音域においても厚みのある朗々とした音の再現性を可能にしました。
スリムなトールボーイタイプのキャビネットは、板厚を変えて共振を分散。LT55マーク2では、新開発のパルプシートに光沢塗装を施した表面仕上げとしました。キャビネットと同じ“木”の繊維を原料とする天然素材を使うことによって、突き板仕上げと同等の優れた音楽表現力を実現。さらに、その高品位な音質を最大限に活かすために、ネットワークや吸音材についてもきめ細かくチューニングを施し、完成度を高めました。
ネットワークは、ひとつひとつのパーツを厳選するとともに、クロスオーバー周波数は音楽の中心帯域を重視した設定にするとともに、ウーハーとツィーターそれぞれに最適な減衰特性を設定しています。また音の入口である入力端子はバイワイヤリング方式を採用、バイアンプ駆動にも対応しています。