
“木”は、紙に比べて特に繊維方向の強度に優れ、音の伝搬速度が速く、また余分な振動も適度に吸収するのが特長です。それは電気信号を音の振幅に変換して振動板に伝える、ボイスコイルとしても理想的な素材です。しかし、天然の“木”をボビンに形成するのは非常に困難なこと。これを可能にしたのが、まさに匠の技でした。
なんと木のシートを薄さ80μに削り出すことで、ゆがみなくボビンに巻きつけることに成功※。量産が難しいこのボイスコイルボビンをあえて採用することで、音楽の伝達ロスを抑え、限定商品ならではのピュアサウンドを実現したのです。
※神奈川県産業技術センター工芸技術所の多大なるご協力により実現しました。
■構造解析結果(13kHz)
美しい“木”へのこだわりは、キャビネットにも現れています。天然無垢のチェリー材を採用するとともに、より上質で落ち着きのあるダーク調仕上げとしました。コンパクトながら、重厚な存在感を醸し出しています。
金属に比べて内部損失の高い木を天板に組み合わせることで共振を抑えると同時に、天板の剛性を高めることで電気部品に悪影響を及ぼす振動をシャットアウトしました。
センターユニットのフットには、安定性に優れた3点支持構造と、真鍮削り出しのインシュレーターを採用。厚さ12mmのアークベースとあいまって、共振の低減と低重心化を実現。低音の立上がりを大幅に改善し、スケール感あふれる低域の再現に貢献しています。
センターユニットには、高級感あふれるシャンパンゴールド・アルミパネルを採用。リミテッドモデルにふさわしいオリジナリティと美しさを表現しています。
ビクターのデジタル技術を駆使した「K2テクノロジー」と、デジタルアンプ「DEUS」で、高音質な40W+40Wのパワーを実現。もちろん、その音の最終チューニングにはスタジオエンジニアと連携し、納得ゆくまでクオリティに磨きをかけています。
ピュアな信号伝送に配慮し、スピーカーコードには極太の14番線を採用。またスピーカーの出力端子に金メッキを施すなど、細部にわたって高音質化をめざしました。
センターユニットの前面に、USB端子と Audio 入出力端子を装備。USB対応メモリーやさまざまなデジタル Audio プレーヤーが手軽に接続でき、高音質で楽しめます。