event レポート

2007/7/25 (水) | 映像教育実践セミナー レポート一覧に戻る
開催日時 2007年7月25日(水) 13:30〜17:00
会  場 横浜情報文化センター 会議室
講  師 佐藤博昭氏 (TVF審査委員)

ゲスト:
昼間 行雄氏
((財)児童育成協会子どもの城AV事業部)
山本 清志氏 (尾張旭市立東栄小学校教諭)

テーマ

「現場で活かせる映像教育の実例と効果」

内容

映像教育は子どもたちの感性を高め、豊かな心を育み、創造性を養います。しかしそれを実践するためのノウハウや専門的指導者が少ないのが実情です。
本セミナーは、29回を数える世界的な市民ビデオの祭典「Tokyo Video Festival (TVF)」の入賞作品から、教育現場で制作された作品を中心に、映像制作を授業に取り入れるためのポイントをご理解いただくものです。

レポート

TVFには、教育現場から様々な作品が寄せられています。それらは学校の放送部だけでなく、クラスだったり個人だったり様々。内容も多彩で、その着眼点もユニークです。そこで映像教育に対する関心の高まりを背景に、映像教育を重点パートと位置づけてセミナーを開催しました。企画するにあたっては、授業に採り入れやすいよう参考になる事例や経験者のノウハウが吸収できる実践的なセミナーとしました。

第一部では、映像制作の具体的な方法を段階的な7つのステップで紹介。そして第2部では、教育現場からTVFに寄せられた作品を観ていただくとともに、現在、現場で映像教育を実施されている2名のゲストに、その取り組みや考え方について事例紹介をしていただきました。
第1部始めやすい映像制作のための段階的な実践例
司会の佐藤博昭氏が実際に実施している映像教育の方法を紹介。課題設定や進める上での問題点、そして評価のポイントが解説されました。
STEP1  映像の基本的な仕組みを知る
◇黒板アニメーションの作品制作◇
映像の基本的な仕組みを知り、具体的な作業を行ってつくるおもしろさを体験するのが目的です。黒板アニメーションは(1)グループで参加できる (2)でき上がりがすぐに確認できる (3)黒板とチョークでできる というのが魅力です。
STEP2  映像制作の流れを知る
◇1シーン1カットで作品制作◇
撮影をスタートしてからストップするまでのひとつの動作で作品づくり。企画、演出、準備、カメラワークなどを学びます。
STEP3  撮影と編集作業の関係を知る
◇インタビュー集をつくる◇
簡単な質問でインタビューを撮影、カメラの撮影アングルや編集時のカットの切り替えについて体験します。
STEP4  結論を導くストーリーを考える
◇決められた最後のセリフを使う◇
映像作品の最後のセリフを決めておき、そこまでのストーリーを逆算するように考えさせて、作品制作にあたります。
STEP5  誰かのことを伝える
◇自分を撮るセルフポートレイト◇
自分自身を撮影対象にして、自分を映像や言葉で表現し、第三者に伝える映像制作です。
STEP6  アニメーション制作
◇驚き盤◇
円盤に描いた絵を一定の角度で回転させながら、それをコマ撮りすることでアニメーションの制作を体験できます。
STEP7  実際の映像祭にアプローチ
◇制作した作品で映像祭に応募する◇
ある程度のレベルをクリアした映像作品は、TVFに代表される実際の映像祭に応募します。また、映像祭への応募を目標に制作に取り組む方法もあります。
第2部TVFの作品とゲストの取り組みを紹介
●TVF作品の上映と解説
これまで教育現場からTVFに寄せられた作品で、2004年の優秀作品『龍胆(りんどう)』(長野県須坂高等学校放送部)を上映。学園祭で、全長20mもの巨大な"龍”づくりから学園祭を終えるまでを記録したドキュメンタリー作品です。生徒たちの責任感の強さやそのひたむきさに、セミナーに出席された先生方も目頭を熱くされていました。
2本目の作品としては2007年のビデオ大賞作品『漢字テストのふしぎ』(長野県梓川高校放送部)。漢字テストの採点基準の曖昧さや、生徒のインタビューに答える先生方の人間性が描かれた話題の作品です。会場の皆さんは教職に就かれている方々なので、とても興味深くご覧になっていました。
3本目は2003年の優秀作品『心のふるさと』(愛知県・山本清志氏)。小学生の時に20歳の夢を話している映像と、その子供たちが成人して山本先生宅に集まった時の映像を作品化したものです。見終えた後、先の2本の作品とはガラリと雰囲気が違う内容に、教育現場で制作する映像作品の多様性を感じていたようです。
●現場で映像教育を実践するゲスト2氏の取り組み
まず、先ほどの『心のふるさと』の作者である山本清志先生が、現在、小学校で実践している映像教育について紹介。これまで行なってきた多数の事例を上映しながら、目的や撮り方、子供たちの反応をまじえ、わかりすく解説しました。山本先生は「クラスの全員が主人公になるビデオづくりを心がけ、子供が描いた絵も使い、子供の名前はテロップで入れるようにしています」と次々にノウハウを披露しました。

そしてもう一人、ゲストとしてお招きしたのは昼間行雄氏。現在、(財)児童育成協会こどもの城(東京都渋谷区)で、子どもを対象としたアニメや映像のワークショップを手がけています。その内容は、小学生の子どもたちでもできるように、わずか2枚の絵でつくるアニメーション制作など、映像づくりに親しむことが目的です。ポイントは、すぐにできること、簡単であることで、楽しみながらできる制作体験の数々の事例が紹介されました。昼間行雄氏は「難しいのは大人がやり過ぎないようにすること。子どもたちの自主性を尊重し、どこまで大人が support するのかが重要です」と、長年の取り組みによって得られた多くの経験談が披露されました。

上映作品

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