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デジタルハイビジョンによる作品創りでは、今まで以上にフィルターを効果的に使うことができます。高精細・高画質なデジタルハイビジョンの映像だからこそ、フィルターの力が大きく生きてくるのです。
HD1は52mmというレンズ径を採用していますので、スチルカメラ用のフィルターを自由に使うことができます。マニュアル機能と併せて各種のフィルターを使いこなせば、高画質を生かした、より表現力の高い映像を撮ることができます。
映像の作品性を高めたいと考えるなら、多彩なフィルターワークへの挑戦も、一つの道です。
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光量の調整にはNDフィルターを上手に使おう!
前ページで、通常の撮影ではシャッタースピードを1/60秒か1/100秒に固定するようにお勧めしましたが、光量が有りすぎて1/60秒や1/100秒では、F=8〜16といった適切な絞りにならない場合はどうすれば良いのでしょうか…
この時に役立つのがNDフィルターです。いわゆる減光フィルターのことで、画面全体の光量を落として、同じシャッタースピードで絞りを開けることができます。NDフィルターには何種類かの強度が有りますので、状況によって使い分けましょう。
一つの目安としては、晴天ではNDの8番(三絞り減光)、曇天では4番(二絞り減光/ともに、Kenko社製ProNDの場合)を使うと良いようです。適切な絞りになれば、背景がボケて被写体に意識を集中した映像が得られます。
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NDフィルター無し
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NDフィルター による減光例1
(Kenko Pro ND-4使用)
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NDフィルター による減光例2
(Kenko Pro ND-8使用)
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多彩なフィルターを使いこなそう
夜景を美しく見せたいときには、クロススクリーンフィルターなどを試してみてはどうでしょうか。
風景の中で青空を強調したい場合や、水面など「映り」のある被写体に対しては、ポーラスクリーン(PLフィルター=偏光フィルター)が有効です。
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クロススクリーンフィルターを使った夜景(Kenko
R-SNOW CROSS使用)
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PLフィルター有り(HAKUBA CIRCULAR
PL使用)
*水面の写りが弱まっている
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PLフィルター無し
*水面の写りが強い
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クローズアップを極めるなら…
静物などの美しいクローズアップを撮りたい時には、テレマクロ機能やクローズアップフィルター(接写フィルター・接写レンズとも言う)が有効です。
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HD1は、通常では、テレ一杯で被写体から1mの距離まで寄ることができます。もっと寄りたい場合には、撮影モードをマニュアルにして、メニュー画面でテレマクロをONにします。
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これで、被写体に60pまで近づけるようになります。たとえば花ならば、肉眼で見えないような花弁のディテールが見えてきます。
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テレマクロ+クローズアップレンズ
(Kenko MC CLOSE-UP No.2 使用)
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テレマクロONの状態で、クローズアップフィルターを付けると、さらに被写体に寄ることができます。クローズアップフィルターには、何種類かの倍率がありますので、撮りたい題材に合わせて選んでいけば、極めつけのクローズアップを撮ることができます。
こういった撮影で注意したい点は、テレ一杯にクローズアップフィルターを付けることで、被写界深度が極端に浅くなることです。カメラの位置が数pずれただけでもピンボケになりますので、フォーカスは必ずロックして、最終的にはピントリングを使って手動でピントを確認してから撮影するようにしましょう。
高品質な映像を得るために、カメラは微動だにしたくないところですから、三脚の使用も「必」です。
ただ寄るだけがクローズアップではありません。特に、動物や植物など命有るものに対した時、肉眼と顕微鏡の境界領域にこそ、美しい自然の造形や驚異的な生命力の世界が広がっています。寄ることで、普段は見えないような「命の"営み”や"息づかい”」が見えてくる。そんな感動的なクローズアップに挑戦してみたいものです。
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