定常状態伝送周波数特性とは、聴取位置におけるスピーカの音の周波数特性をいいます。これは拡声系の音質を表す1つの尺度で、目的によって理想的な周波数特性は異なります。
ホールにおける大まかなめやすとしては、160Hz〜4kHzがほぼフラットで山谷がなく、100Hz以下、4kHz以上が徐々に下降している特性が良いとされます。この測定は、各スピーカの角度、音量バランス調整、イコライジング等種々の調整を行った結果の確認として測定するものです。
スタジオのコントロールルームにおいては、完成時の最終的な音決めを行う時に、定在波や反射音の干渉の影響によるピークディップを測定器で観測しながら、吸音面、反射面の配置決め、スピーカの音響調整を行う際の参考にします。
音源のピンクノイズ発生器を拡声系の入力に接続しスピーカーを連続駆動します。
この時の音圧レベルは各周波数帯域とも暗騒音の影響を受けない音圧レベル(暗騒音より10dB以上高く)に設定します。
測定ポイントにマイクロフォンを設置し、実時間周波数分析器により測定帯域(測定器により異なりますがほぼ可聴帯域の25Hz〜20kHz)の1/3oct.帯域または1/6oct.帯域の音圧レベル周波数特性を測定し、結果をプリントアウトします。