拡声設備の入力が無い状態での騒音を電気音響設備の残留雑音といい、建築音響測定における空調機、照明等の設備騒音とは別に電気音響の中で測定を行います。
騒音の表示は、L.L.Beranek(ベラネック)氏が、耳に感ずる音の大きさと会話に対する騒音の妨害程度を研究して、騒音の許容値を周波数分析の結果、数値で表せるようにしたNC値(騒音評価値)を使うのが一般的です。
NC値はNC曲線より求めますが、例えば、各帯域の騒音レベルがすべてNC-30の基準曲線より小さい時のNC値がNC-30となります。
測定条件としていくつかの方法が取られていますが、代表的な方法のひとつを紹介します。
音響システムを最大再生音圧レベル測定時の位置にセットし、次に入力フェーダを絞りきります。その後騒音計(1/1オクターブバンドフィルタ付)で63Hz〜8kHzまでの各周波数帯域の値を読みとり、NCカーブのグラフ用紙にプロットしNC値を得ます。測定位置は、スピーカに最も近い客席等、場内でスピーカからのノイズの影響が最も大きい場所を選択します。