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JVC Jazz Festival 2007

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Report 2007 JVC Jazz Festival Paris


2007 JVCジャズフェスティバル レポート

パリ
2007年10月13日-21日

 

JVC Jazz Festival Paris Logoパリで権威ある「ロングラン・Event 」の開催が、2007年に11回目を迎え、パリ中のコンサートホールやクラブがにぎわった。JVCジャズフェスティバル・パリは、1991年にラ・ヴィレット地区のシテ・ド・ラ・ミュージック(ミュージック・シティ)にて、マイルス・デイビスの偉業を偲んで、彼とゆかりのある多くのバンド・メンバーや共演者たちにより始まった。そしてラ・ヴィレットにて6年間開催された後、現在の形態にまで拡大され、パリ中が数多くのジャズの大御所や人気上昇中のスター、そして新人たちの演奏で包まれるようになった。

 

今年も、現在を代表するジャズ・ボーカリストたちが出演した。クラブ・ニューモーニングには、カート・エリングやカーティス・スティガース、シガル・シアターには、デヴィッド・リンクス、そしてオリンピア・シアターには、ステイシー・ケントが出演した。

 



 

ステイシー・ケント

ステイシー・ケント(vo)

ステイシー・ケントの名声は、ロンドンから始まった。それはBBCラジオで頻繁に特集されたためで、その後はヨーロッパ全体、とりわけフランスに広がった。今回のオリンピア・シアターでのステイシーのJVCジャズフェスティバルのコンサートチケットは、何ヶ月も前に完売となり、フランスでのスーパースターとしての地位を証明した。

 

またエレガントで洗練された歌姫“chanteuse”のコンサートが、1889年に建築されたパリで最も古くから愛されているミュージック・ホールで開催されたことは、フランスの音楽ファンにとっては一層の喜びだ。そしてこのすばらしい10月17日の公演が、ジョセフィン・ベーカー、エディス・ピアフ、ジャック・ブレル、シャルル・アズナブール、ジョニー・ホリデイ、ビートルズ、ルチアーノ・パヴァロッティ、ジャクソン5ら、何千もの名だたる偉大なパフォーマーたちが作ったオリンピア伝説の1ページに加えられたことは確かだ。

 

ステイシー・ケント

ステイシー・ケント(vo)


 

カート・エリング

カート・エリング(vo)

アメリカはシカゴ出身のカート・エリング、ロサンゼルス出身のカーティス・スティガースの二人は、現在の男性ジャズ・ボーカリストのトップ2ともいえる存在だ。グラミー賞受賞者でもあるエリングは、ジョン・コルトレーンやデューク・エリントン、エデン・アーベ、アントニオ・カルロス・ジョビンなどの曲を、叙情的に感情を込めて即興で演奏する。今回、エリングとスティガーは、パリのジャズの殿堂である10番街地区のニューモーニングにて熱狂的なファンに迎えられた。
また幅広い活躍をするスティガースは、映画のサウンドトラックだけでなく、エルトン・ジョンやエリック・クラプトン、プリンス、ジョー・コッカーとも一緒に仕事をしている。



 

デヴィット・リンクス(vo),ブリュッセル・ジャズ・オーケストラ

シガル・シアターでは、ベルギーのボーカリスト、デヴィット・リンクスが、評判の高いブリュッセル・ジャズ・オーケストラと競演し、洗練された観客を魅了した。ブラジル・シンガーのマリア・ジョアンも参加し、目をみはる羽のドレスで豪華な夜に華を添える形となった。

 

パリはジャズの街であるが、インストゥルメンタル・ジャズの分野からは、伝統の街の内外からたくさんの出演者たちが熱演した。ヘッドハンターズのファンクなジャズ・フュージョンをはじめ、フランスのギタリスト、マヌー コディジストリオ、ドラマーのクリストファー・ウオーレム率いる6人組や、最高のサックス奏者のジェラルディーン・ロランが参加するトリオたちだ。真のジャズ・ジャイアントである、不滅のドラマー、エド・シグペンは、デンマークの若手ミュージシャンたちを率いて、シャトレ近くにあるクラブ・サンサイドで4度目の公演を行った。



 

 

アヴィシャイ・コーエン(b)

18日木曜日には、ニューモーニングにてリーダーズが演奏した。それは正真正銘のオールスターたちによるバンドだ。チコ・フリーマンとボビー・ワトソンがサックスを、エディ・ヘンダーソンがトランペットを吹いた。激しいものを好むリスナーたちは、ラシッド・アリ、ウィリアム・パーカー、チャールズ・ゲイルらフリー・ジャズ・トリオが奏でる嵐のような絶妙な音を堪能した。またアヴィシャイ・コーエンの叙情的なベース中心のジャズの曲は、オリンピアでもニューモーニングにおいても観客を魅了し、特にオリンピアでは、ステイシー・ケントの前座として、短いが感動的な演奏を行った。



 

ショーン・クティ(vo)

2007 JVCジャズフェスティバル・パリでは、ご機嫌なアフロビートも披露された。ショーン・クティのバンド、エジプト80のステージは観客で溢れ、モンマルトルのシガル・シアターは、ダンスする観客たちで超満員となった。ちなみにショーンは、不滅のフェラ・クティの息子である。フェラに影響されたもう一つのバンド、ルース・タフェベ率いるアフロ・ロッカーズは、フェラの伝説のドラマー、トニー・アレンと共演した。


マイティ・モー・ロジャース

JVCジャズフェスティバル・パリでは、ジャズの分派といえるアフロビートと同様に、ジャズの祖先であるブルースも数多く演奏された。シカゴのマイティ・モー・ロジャースはパワフルなメッセージを伝え、プラフェはネイティブアメリカン・フォーク・ブルースを演奏し、ジョン・ハモンドはウィリー・ディクスンをカバーすることで、サン・ハウスなどブルースの元祖たちが、フェスティバルに個性的で独特な華を添えた。

 


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