フレームアウトとフレームイン
『時間の省略』は、編集のテクニックと見られがちですが、撮影時から意識的に撮っておかなければ、うまくいくものではありません。
時間の省略のための最も基本的なテクニックが、フレームアウトとフレームインです。
画面内にいる人物がフレームの外に出ていくのがフレームアウト。逆に、主人公のいない画面に人物が入ってくるのがフレームインです。どちらの場合にも、人物がいない部分を空舞台(からぶたい)と呼びます。
空舞台が0.1秒から0.2秒もあれば、フレームアウトした人物は、次のカットでどこにいても大丈夫です。例えば、都会の風景の中にいた人物がフレームアウトして、次の瞬間には浜辺にいるといったことが可能です。ここで大きな時間の省略ができるのです(フレームアウトの編集例)。
逆に、海辺を歩く人物の姿から、広場での人物のフレームインにつなぐこともできます(フレームインの編集例)。大切なのは空舞台を撮っておくことです。
実際の出来事を追いかけていく普段の撮影でも、フレームアウトとフレームインは生かすことができます。例えば、運動会で子供が走る姿を撮るにしても、フレームアウトやフレームインをするカットを少しでも撮っておけば、時間の省略が簡単にできます。
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